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冒険

  今回の冒険の難関は2箇所である。カボ・デ・オルノスの周回は当然であるが、もう1箇所は25キロメートルほどの距離のある海峡パソ・マンテジェロの横断である。西風を回避するためにイスラ・オステの東側を南下してきたが、途中で東側のイスラス・ウォーラストンに渡航する必要があり、それが海峡の横断になる。順調でもカヤックの速度では約4時間の距離であり、その時間に突然の強風になれば遭難にもなる。

  2月2日昼頃、海峡横断に出発したが、風向きが懸念されたため、急遽反転してイスラ・イエロの海岸に緊急避難した。ところが風速は時間とともに増大し、そのままキャンプをすることになったが、そこから4日、眼前の海上が真白になるほどの波浪となり、完全に釘付けとなった。天気予報の情報もない孤島で、いつ出発できるか予定できない停滞は今回の冒険のなかで最大に気力を要求されるものであった。






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